Mediterranean Beach Coast Lodging Tents in Tuscany, Italy

グランピングとは? – その歴史と進化

グランピングとは?

グランピングとは「グラマラス(Glamorous) – 特別な雰囲気な、豪華な、魅力的なという意味」と「キャンプ(Camping)」を合わせた造語です。他の呼び名として、「ラグジュアリーキャンプ」、「ブティックキャンプ」、「手ぶらキャンプ」など様々なワードが存在していましたが、徐々にグランピングで集約されるかもしれません。

キャンプは自然の中に身を置くため、自宅のような居住快適性は得ることができません。不便こそがキャンプの醍醐味と言う方もいらっしゃいます。”自然へ溶け込む心地良さ”と”居住の便利さ”はトレードオフの関係であり、両立することは難しいのが現実でした。しかし、グランピングのコンセプトはこれら2つの相反するニーズをバランスよく調和する、というものです。「自宅にいるかのように、キャンプをする」といった感じです。もう少し具体的に整理してみますと。。

キャンプを行うメリット

  • 大自然に直接触れ合うことができる。
  • 平和で心落ち着かせる音(森が風でなびく音・川のせせらぎ・鳥の鳴き声等)を聞ける。
  • たき火やBBQを楽しむことができる。
  • 静寂を堪能できる。
  • ひたすら開放感にひたれる
  • 新鮮で美味しい空気が吸い放題。マイナスイオンをたくさん吸収できる。
  • 雨や雪の音をじかに聞ける。
  • 家族やパートナーや友達との貴重な時間を一緒に過ごせる。

キャンプでの面倒なこと

  • たくさんの道具を用意して、持参しなければならないこと。
  • 雨の時に水だまりができてしまうこと。
  • ごつごつした地面。
  • 寒さで凍えること。
  • 窮屈な寝袋で寝ること。
  • サニタリーが綺麗ではケースもあること。
  • 食事の用意、片付けが面倒なこと。
  • キャビンやコテージがあっても、設備が貧弱すぎて寂しい気持ちになること。

アウトドアに興味があるものの、従来形のキャンプが上記の理由で踏み切れない方も多いのではないでしょうか。最近では、手ぶらキャンプや、コテージ・キャビン・ツリーハウスなど、手軽にアウトドア生活を楽しめる施設も多くなってきています。それらが更に進化して、もっと快適な居住空間(自宅でくつろいでいるような感覚)、と同時に、もっと深い大自然へダイレクトにアクセスできる、これが、グランピングの基本コンセプトになります。

なぜ人々はグランピングに惹かれはじめているのか?

もともとワイルド好きで、BBQセット、調理道具、寝袋、チェアー、テーブル、ランタンなどの道具を用意万端整え、キャンプの設置も、たき火をゼロから起こすのも、調理をするのも、片付けするのも楽しみであり、趣味である本格的キャンパーにとっては、グランピングはあまり興味をそそるものではないかもしれません。邪道と思う方もいるでしょう。

一方、何でも豪華な設備やサービスが整っている、リゾートホテルが好きな人。こういう層でもありきたりの旅行・ホテルでは物足りないさを感じている方は多くおり、もっと自然を味わいたいと考えています。それでキャンプにも興味は持つのですが、上記で説明した面倒なことや旅行先での快適性が失われるといった懸念から、アウトドア生活に一歩踏み出せないケースも往々にしてあろうかと思います。この懸念をグランピングが解決してくれるので、欧米のミドルアッパー以上のレイヤーが好み始めています。

こういうケースもあります。昔バリバリのキャンパーだったものの、年を取り、負担のかからない、もっと緩やかなキャンプを楽しみたいというニーズも存在するようです。彼女、奥さんや子供のキャンプ準備軽減や現地でのアクティビティに時間を割きたいキャンパーの間でも、グランピングは人気が出てくるでしょう。また、女子旅にはベストフィットです。

グランピングの進化過程 – その原型

gel

グランピングの起源は諸説ありますが、遡ること西暦1100年、初代皇帝チンギス・ハンが築き上げたモンゴル帝国にその原型が生まれました。よく知られている、家屋の「ゲル」です。ゲルは円形テントで、中心の柱と屋根部分には中心から放射状に梁が張られています。これにヒツジ毛でつくったフェルトをかぶせ、屋根・壁を覆っています。この構造物は緩やかな草原地帯に適しており、強い寒風から保護してくれます。驚くべきことに、このゲルはモンゴルの遊牧民族ではいまだ現役です。

次にブレイクスルーを起こすのは1900年に入ってからです。西洋列強国の植民地拡大政策が最も活発だった1900年前半に、欧米人がアフリカへの視察を行った際に、サファリ砂漠でも快適なキャンプ生活を過ごせるように改良を加えました。これが今日にもつながる「キャンパス・サファリ・テント」スタイルです。

モダン・グランピング – 2010年に本格的に到来

欧米人によるアフリカでの「キャンパス・サファリ・テント」スタイルから100年の時を経て、モダン・グランピングがついに始まりました。グランピングはすでにバズワード化しつつあるワードですが、Google Trendsにおいて、2007年に初めてキーワードとして認識されました。しかし、具体的な関連ニュースが出始めたのは2010年頃からで、実際に人気が上昇したのは2013年でした。これは英国を中心とする西ヨーロッパ・米国等の欧米諸国での話しです。日本では2014年でも稀に出てくるワードで、2015年に入ってから火が付き始めました。

グランピングが波及した順番は、英国・アイルランド・アフリカ→ オーストラリア・ニュージランド → 米国・カナダ → アジア・日本(2015年)、という感じだそうです。

グランピングのトレンドが発現したバックグラウンドには、健康志向・自然志向がさらに強くなってきている点があると言われています。ITの劇的進化で人々の生活は見違えるほど便利さを増した一方、いつでもどこでもコミュニケーションがつながってしまうことで増えるストレス、早すぎる社会のスピードについていけないストレス、情報過多のストレスで疲労感が増してきているのも事実です。だからこそ、ワイルドな自然へ回帰でき、かつ過剰すぎない利便性を得られるモダン・グランピングが人々を魅了しているのです。

グランピングサイトはここ2-3年で急速な進化を遂げており、様々なタイプの宿泊施設・様々な自然環境・様々な価格帯で多様化が進んでいます。日本はまだまだ数えるほどですが、きっと選択肢が増えてくるでしょう。Let’s Enjoy for glamping life with great nature !

*アイキャッチ画像:Camping Capalbio in Maremma Tuscany in Italy

 

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